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【小児歯科】2歳から5歳までの間に歯科受診を

このブログを読んでいただきありがとうございます。昨日から急に暖かくなり、京都にも桜が咲き始めました。4月は気候もどんどん暖かくなり、新しい出会いに大変わくわくしますね。

さて、今日は特に2歳から5歳までの小さな未就学児のお子様の歯科受診についてお話をしていきたいと思います。実は、院長である私も3歳(と0歳)になる子どもがいます。この年齢の子どもさんは、イヤイヤ期を迎え、何でも自分でやりたがりますし、何かと大変ですよね。

歯磨きも仕上げ磨きをさせてくれない、歯磨きをしたがらない、間食が多い、前歯に着色が目立ってきた、いつも口が空いている、歯ぎしりをしている、いびきをかく、スマホで動画ばかりよく見ている、硬いものが噛めない、指吸い、唇を噛む、爪を噛む、発音に異常がある、歯並びが詰まっている…

上記は一例ですが、いずれか一つでも当てはまる場合は注意が必要です。

生後半年ごろから歯が生え始め、2歳半には乳歯列が完成します。乳歯の奥歯が生えてくると、奥歯の間にモノが挟まるようになったり、歯の溝に汚れが溜まってしまうことでむし歯のリスクが上がってきます。その後、乳歯列期となり6歳ごろに下の前歯が交換して、同時期ごろに奥歯が生えてきます。永久歯への交換は13、4歳ごろまで続き、そのあとは最終的な歯列が完成していきます。

このような流れから分かるように、安定した乳歯列期はわずか3年しかありません。この乳歯列期に大切なのは、①むし歯を作らないこと、②異常な癖や習慣を無くすこと、③発育成長に合わせて必要があれば早期治療を行うこと、この3点になります。

①むし歯を作らない

乳歯はいずれ抜けてしまうのでむし歯になっても問題ないですか?と聞かれることがありますが、これは大きな間違えです。まずむし歯になると穴があいてモノが詰まるようになったり、痛みが出てしまうのでしっかり咬めなくなります。もしくは、咬める所で咬むようになるため片側咀嚼を行うようになります。むし歯が原因で歯が無くなると、歯並びが崩れ顎自体がずれることもあります。

また、乳歯の虫歯を放置しておくと根っこの先に膿が溜まってしまい、永久歯に影響を及ぼすことがあります。これをターナー歯と言い、エナメル質の形成不良を起こしてしまうため、注意が必要です。

乳歯自体は虫歯になってしまっても、いつか抜けてしまいます。しかし虫歯になりやすい環境や習慣を改善しないまま永久歯が新たに生えてきた場合、同じようにむし歯になってしまう可能性が大きいです。

このような理由から、乳歯であってもむし歯を作ってはいけません。

②異常な習癖を無くす

乳歯列の安定期である2歳から5歳までの間に行うべきことは、異常習癖の改善です。異常習癖とは指吸、弄舌、弄唇、異常嚥下、口唇閉鎖不全などが挙げられます。いずれも歯列に大きな影響を与えてしまいます。適齢期を過ぎてもこうした癖が治らない方は一度ご相談ください。

また、当院ではお子様の発育成長に応じて必要な筋機能療法を行います。おうちでも始められるような簡単なストレッチから、専門の装置を用いて行うものもあります。

習癖によって歯列不正ができてしまった場合、その原因である習癖を取り除かない限り、例え矯正治療を行ったとしても必ず後戻りをしてしまいます。永久歯が生えてくるまでの3年間で、いかに正しく筋肉を使うかが大切です。

③早期発見・早期治療を行う

むし歯は初期の段階では痛みが出ません。穴が大きくなり、ものが詰まってしまうと噛んだ時に痛みが出てしまいます。低年齢のお子様はまだ治療が難しいことが多いため、仮にむし歯ができてしまった場合は、治療が可能な年齢までむし歯の進行を遅らせてやる必要があります。

このように発見が早ければ早いほど、痛みが出ないよう初期対応が早くなります。どんな子でもだいたい6歳を超えてくると治療が可能になりますので、年齢に応じて対処いたします。

また、大きなむし歯の場合は神経を取る治療や抜歯になってしまう可能性もあります。小さなむし歯であれば、少し削って詰める治療ですむため、お子様の治療に対する負担も違います。

虫歯かなと思ったら、まずはレントゲン撮影を行い、かかりつけの歯医者さんで精査してもらうことをおすすめします。

まとめ

実際に歯が生えそろう時期はおよそ2歳ほどなので、この年齢になればフッ素の塗布等も可能な年齢になります。まだ一度も歯医者さんに行ったことのないお子様は、ぜひ一度歯科検診を受けてみてください。むし歯ができないように、フッ素塗布と歯磨きの指導をしてもらいましょう。